相続のQ&A(法改正、特殊事例)

相続は身近におこるものです。インターネットの発達により、調べれば解決できることも多くあります。ここでは、近年の法改正や、特殊な事案を説明します。多くの場合、弁護士等の専門家が対応するかと思います。

 

相続人がいない場合の遺産分割

Q1.父と子Aと子Bの事例で説明します。子Aが死去して、借金が多く、相続人は放棄して相続人はいない。より先に死去していた父の遺産分割をする必要性がでてきた。どうすれば?
A1.①Aに相続人がいない場合、家庭裁判所に相続財産清算人の選任の申し立てが必要。

   ②清算人は他に相続人がいないか調査・管理しつつ、債権者や受遺者に支払いをする。それでも残があれば、(特別縁故者から請求があれば)裁判所への財産分与を判断した後、残があれば国庫に返します。

 

相続人の1人が行方不明の場合の遺産分割

Q2.夫Aと妻Bと子Cと子Dの事例で説明します。Aが死去して、遺産分割をしたいのですがCが行方不明です。A名義の不動産や預金があるのですが、財産分与はどうすれば?

A2.①行方不明者がある場合、失踪宣告制度や認定死亡制度により、死亡したものとして、他の相続人だけで遺産分割をする。または、

   ②家庭裁判所から不在者財産管理人を選任してもらい、その者を行方不明者の代理人とすることで、遺産分割をすることができます。長期の家出人などです。

 

相続人の1人が海外にいて帰ってこれない場合

Q3.父と子Aと子Bの事例で説明します。父が死去してAがアメリカにいて、子Bが国内にいる場合です。相続手続きをするには?

A3.父が日本人の場合は、日本の法に従って処理。子Aが結婚して、アメリカ国籍になっていても同じ。

  ①遺産分割手続きは、印鑑証明が必要。Bは国内にいるため入手可能。Aはそれに代わるもの(領事館で署名証明(サイン証明))で対応します。宣誓供述書に本人が署名した現地公証人の署名認証を受けたもの、米国の官憲が発行するサイン証明書などが該当します。

 

特別寄与制度(平成30年法改正)

Q4.父Aと同居する息子Bと妻C、子なしの事例で説明します。Bが先に亡くなり、Aからの依頼をうけて、Cは6年間同居して介護をしました。Aが亡くなり、Aの他の子(兄弟姉妹)で相続が発生。Cを家から追い出そうとしています。これまでのAの介護について、金銭的要求はできますか。

A4.①相続の開始及び相続人をしった時から6ケ月間または、相続開始から1年以内に限り、相続人に限り金銭的請求をすることができるようになりました。

   ②あくまで、無償で行われた場合です。相続人との間で、特別寄与料について協議ができます。認められない場合は、家庭裁判所に調停または審判の申し立てができます。また、仮差押えや仮処分の保全処分申し立ても可能です。

  他にも条件がありますので、その際は弁護士等と検討してください。

 

配偶者居住権

Q5.父Aと母Bと子Aと子Bの事例で説明しまAが亡くなり、遺産分割の必要性がでてきました。子ABは法定相続分による遺産分割を要求しており、不動産(家・土地)を売却して、お金を払ってといってます。Bはこれまでどおり、家に住んでいたいです。

A5.法律上の配偶者であれば、

  ①配偶者が相続開始時に建物に住んでいたこと(一時的な入院は可)

  ②建物がAの単独所有または、ABの共有であること

  ③建物について、配偶者に配偶者居住権を取得させる旨の遺産分割、または遺贈(死因贈与)がされたこと

  となります。また、配偶者居住権は遺産分割の際、評価をします。家庭裁判所のもちこまれると、不動産鑑定士による鑑定がほとんどです。一般的には固定資産税の評価額等を参考にします。

  配偶者短期居住権もありますが、ここでは割愛します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2026.04.02 Thursday