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認知症と財産管理①
(1)認知症とは
認知症は、脳の神経細胞が障害により、記憶力や判断能力が低下して、日常生活に支障をきたしている状態です。脳の記憶を留めておく海馬が委縮して小さくなり、新しい情報が入らなくなるのです。
2025年には、認知症700万人時代の到来と言われます。これは、埼玉県の人口に匹敵します。65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症に罹患している状態です。80歳以上になると、2人に1人がが罹患しており、驚異的な数字になります。認知症は、治療法が確立されていないため、完治が大変難しいのです。がん治療と異なり、治療期間と治療費用が予測が難しく、「認知症は、がんより怖い」といわれる要因となっています。
厚生労働省の国民生活基礎調査(2022年)によると、介護が必要になった主な原因の1位はなんだと思いますか?もうわかりますよね、認知症です。ちなみに、2位に脳血管疾患、3位に骨折・転倒となります。
(2)認知症と財産管理
別に、脅しているわけでなく、だれもが経験する可能性が高い事実なのです。
この長寿化時代、相続税対策だけでは、十分でなく、認知症対策をしていかなければいけないのです。認知症の発症は、契約行為が一時的にできなくなるので、それまでに、財産管理の準備をしておかなければなりません。
例えば、高齢者施設に入る場合、高額な頭金が必要な場合が多いです。介護に大きなお金が必要なのに、本人の口座は凍結されてしまします。その分親族が一時的に負担することになり、いわゆる介護破綻の可能性があります。成年後見制度を活用した法定後見人をつけなければ(最短でも時間が1ケ月程度はかかります)、不動産売却もできません。しかも、不動産売却も、裁判所の許可がおりなければできません。これは、成年後見制度の被後見人の資産を維持する・守る考え方からくる判断で、良くも悪くも融通がきかない場合があります。
また、法定後見人は(申請に基づき)裁判所が選任するため、(申請者等に)拒否権がありません。原則、法定後見人を違う方に変更することができないのです。法定後見人は約7割が、いわゆる士業(弁護士、税理士、行政書士等)の方々となりますが、選任された方で、年1回も本人や家族に会わない方々もおります。
私が受けた過去の相談者の中には、選任されてから、(法定後見人から)事務的な文書が届いて、業務をすすめ、被後見人のご家族が一度も法定後見人にお会いしていないという事例もありました。
これは、事前に任意後見人制度を活用して、後見人を(信頼できる親族や人間性を知っている士業の方々に)指名しておけば、解決できた事案です。
成年後見制度以外でも、解決策はあります。ぜひ、決断を下す前に、様々な選択肢をご検討ください。